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【砺波市】春の空に浮かぶ チューリップバルーン

2026.04.25

砺波の春を象徴する「チューリップフェア」。その開幕を告げるプレイベントとして開催されるのが、色鮮やかな熱気球が空を舞う「チューリップバルーン」です。
地上も空も、カラフルなチューリップとバルーンが織りなす景色は知る人ぞ知る特別な光景。
今回は「チューリップバルーン」に携わる方々に、熱気球の魅力や想いを伺いました。


となみ野バルーンクラブ 会長 橋本清一さん  

チューリップバルーンは今年で31回目を迎えました。初めて開催したのは1996年。当時の会長である佐藤清州さんが「チューリップの上に気球を飛ばしたら、みんなが喜ぶのでは?」と発案したのがきっかけです。私はその想いを引き継ぎ、会長として11年間この活動を支えています。

当初は5月に開催していましたが、田植えシーズンと重なることから、現在は4月中旬に開催しています。(今年は4月18・19日に開催)

私たちの活動の根底には「みんなに喜んでもらいたい」という純粋な想いがあります。色とりどりの気球が色鮮やかなチューリップの絨毯の上に浮かぶ光景は圧巻で、上から見ても下から見ても本当に綺麗です。全国広しといえど、このとなみ野でしか見ることができない自慢の景色だと思います。

今年のチューリップバルーンは終わりましたが、私たちは県内各地で定期的に飛行をしています。ぜひこの迫力を間近で感じてほしいと思います。

 (有)バルーンハウス 高本裕久さん撮影(2012年)
さて、チューリップバルーンはただのイベントではなく、実は競技大会なのです。地上に設置された「×」印のターゲットめがけて飛行し、上空から砂袋(マーカー)を投げ落としてその近さを競います。高度によって違う風向きを読み解かなければならず、パイロットの腕が試されます。

この大会には毎年、全国から30機近い気球が集結します。たとえ雨で飛べない日でも、地元の料理で盛大におもてなしをして、皆が笑顔で帰れるような温かい運営を心がけています。

 
 撮影打ち上げには気球型のケーキも登場(2012年)
ちなみに私の本職は陶芸家ですが、気球に30年以上情熱を注いでいます。新しい仲間はいつでも募集中です。パイロットになるには訓練や試験が必要ですので、興味のある方はお気軽にご連絡ください。


となみ野バルーンクラブ インストラクター 宮林敏雅さん

私が気球の世界に飛び込んだきっかけは、今から35年ほど前、家の前の田んぼに高岡のパイロットが飛ばす気球がたまたま着陸したことでした。「これに乗れるのか!」という好奇心から数回乗せてもらううちに、すっかりその魅力に取り憑かれてしまいました。

気球を近くで見たことはありますか? 気球が飛ぶ仕組みを簡単に紹介しますね。
気球は小学校のプールをそのまま縦にしたくらい(高さ約30m)の大きさがあり、ナイロン・テトロンなどの特別な素材の球皮、エンジン部分であるバーナー、人が乗るバスケットで構成されます。バーナーで熱した空気を球皮に送ると、浮力で気球全体が浮き上がります。高度の調整はバーナーの火加減によって数センチ単位で行います。

高さはクロスランドタワー(118m)の約5倍、上空5〜600m付近まで上がるんですよ。気球の操縦で最も緊張するのは着地です。無事に着陸するまでは一瞬たりとも気が抜けません。

気球の最大の魅力は「人にはできない経験ができる」ことです。一度空へ出れば、地上とは全く違う意識や感覚が芽生えます。また、気球を通じて全国各地に「特殊な仲間」ができたことも、私にとって大きな財産です。大会で再会すると、気球の話はそっちのけで土地の美味しいものや温泉の話で盛り上がる、そんな自由な繋がりが心地よいと感じます。
現在は立山町を中心に若手パイロットの訓練を行っています。気球の操縦には高い技術と経験が必要で、パイロットの高齢化も進んでいます。しかし、この素晴らしい「非日常」の感動を絶やすことなく、次世代のパイロットたちへとしっかりと繋げていきたいですね。来春はぜひ、砺波の空を見上げに来てください。
 

この記事を書いた人

おとなり編集部