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【砺波市】屋敷林を守る!カイニョお手入れ支援隊

2026.09.25

砺波平野に広がる美しい散居村の原風景。その要となるのが、「カイニョ」と呼ばれる家々を囲む屋敷林です。かつては厳しい風雪から家を守る大切な存在でしたが、近年は高齢化や核家族化が進み、各家庭での維持管理が難しくなっています。今回は、となみ野の美しい景観を守るために活動するボランティア団体を紹介するほか、剪定した木の活用についてもご紹介します。


カイニョお手入れ支援隊 代表 松田憲さん  



私たちが「カイニョお手入れ支援隊」を立ち上げたのは2014年のことです。定年退職後、小矢部園芸高校の専攻科で造園を学んだことがきっかけでした。

この地域には「自宅の屋敷林は自分で手入れするのが当たり前」という昔からの常識が深く根付いています。しかし、かつて大家族で維持されていたカイニョは、高齢化や核家族化が進む現代では個人での維持が非常に困難です。かといって業者に依頼すると莫大な費用がかかるため、屋敷林自体を伐採する家も増えています。日本の原風景ともいえる散居村の美しい景観が急速に失われつつある現実に、私は強い危機感を覚えました。

そんな時、「一人では困難でも、みんなで協力すれば維持できるのではないか」と考え、専攻科の同級生約25名でカイニョお手入れ支援隊を結成しました。最初は無償で他人の庭を手入れすることに不信感を持たれることもありましたが、砺波市のまちづくり協働事業に選ばれたことで地域の信頼をいただき、補助金で必要な資機材を揃えることもできました。

現在は春と秋の年2回、剪定活動を行っています。多い時には100人近くのボランティアが参加し、一気に作業を進めます。チェーンソーなどの危険な機材も扱うため、事前の保険加入を徹底しているほか、初心者には必ず経験者が指導役として付き、技術を丁寧に教えながら安全に作業できる仕組みを整えています。
また、我々が剪定を無償で請け負うことで、地域の造園業者の仕事を奪わないよう、対象を「年金暮らしの高齢者世帯」などに絞ることで棲み分けを図っています。かつての「結」の精神のように、地域で協力し合って地域を守ることが当たり前の世の中になってほしい。そんな願いを胸に、これからも皆で力を合わせて活動を続けていきたいと思います。

(株)プロジェクトデザイン アロマセレクト マネージャー 福井千寿子さん

アロマセレクトでは、2014年から富山の豊かな自然が生み出す香りを抽出して精油を作っています。2022年の秋からは、カイニョお手入れ支援隊と連携し、手入れの際に伐採された枝葉を活用したアロマオイル「カイニョミックス」を作り始めました。
 

 
文章6剪定した軽トラック山盛りいっぱいの枝葉から、約一週間かけて丁寧に蒸留して精油を抽出します。カイニョにはスギやヒノキだけでなく、サワラ、カイズカイブキ、キンモクセイ、カリンなどさまざまな種類の樹木が植えられているので、集まった枝葉の種類によって完成する香りが毎回違います。その時、その場所でしか生み出せない一期一会の香りが最大の魅力だと思います。抽出された一滴一滴には、長年その土地で家族を見守ってきた木々の歴史と散居村の美しい風景がしっかりと凝縮されています。

100%天然成分の香りは人工香料のような強い残り香がなく、まるで森林浴をしているような心地よさがあります。玄関や寝室などの空間に吹きかけると気分がリフレッシュできますよ。車の中で使うと、高級車のようなスッキリと上質な香りが広がるのでぜひ試してみてください。

カイニョミックスの売上の一部は、支援隊の活動資金として還元されています。現場での力仕事への参加が難しい方でも、アロマを購入して香りを楽しむだけで、散居村の美しい景観を守る活動の支援になります。商品は「水と匠」オンラインショップほか、「産土ノ」、「楽土庵」、「守人舎」でも購入できます。このオイルを使うとき、ふと美しい散居村の風景を思い浮かべていただけたら嬉しいです。
 

この記事を書いた人

おとなり編集部