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【小矢部市】伝統を次の世代へ おやべの獅子舞祭

2025.06.25

2025年5月24日、小矢部市で『獅子舞大共演会』が行われました。
コロナ禍から実に6年ぶりの開催ということで、あいにくの雨模様にもかかわらず、この日を待ちわびた大勢の人で賑わいました。
今回は小矢部市の獅子舞に携わるお二人に、獅子舞への熱い思いや次世代への思いなど、お話を伺いました。


写真提供:小矢部市獅子舞連合会

小矢部市獅子舞連合会 会長 藤本 雅明さん

 
小矢部市では『石動天神獅子舞祭』と『獅子舞大共演会』を合わせて『おやべの獅子舞祭』と呼んでいます。
近年はコロナ禍で天神獅子舞祭のみの開催となっていましたが、今年は6年ぶりに天神獅子舞祭と大共演会揃っての開催となりました。
そして今回は第30回記念ということで、通常の開催時よりも多い10団体の獅子方が出演しました。

小矢部市には獅子舞が保存伝承されている地区が84箇所あります。
『シシコロシ』などの激しい演目がある『氷見獅子』や親子獅子など複数の獅子が舞う『射水獅子』、手拭いや扇子を使用する穏やかな『砺波獅子』など、町によってさまざまな地域から獅子舞が伝承されています。
 

獅子に宿った災厄を祓うために舞う「シシコロシ」は大迫力!
小矢部市獅子舞連合会のホームページでは、各町の獅子舞のルーツや、古いもので昭和52年にまで遡る獅子舞の映像を見ることができます。
伝搬経路の調査など興味深い資料もありますので、気になる方はぜひご覧ください。

『獅子舞大共演会』と同日に毎年恒例の『獅子舞スタンプウォークラリー』も開催しました。
これはエリア内の獅子宿を巡ってスタンプを集めると抽選に参加できるイベントです。
獅子宿には、各町の獅子頭が展示されています。普段、獅子頭を間近で見る機会は滅多にないと思います。
来年以降も開催する予定なので、このイベントをきっかけに興味を持っていただけると嬉しいです。
 
近年、人口減少によって獅子舞に関わる住民が減少しています。
そんななか、小矢部市では獅子舞の時期になると、普段は静かな町に人が集まり、笛や太鼓の音が鳴り、とても賑やかになります。
このような古くから続く地域のつながりを大切にして、
町内が一体となって獅子舞を継承していってほしいと強く願っています。

中下新町獅子舞保存会 御器谷 勉さん


中下新町獅子方の皆さん
獅子舞の獅子あやし(シシトリ)は、昔から男の子が務めるイメージがあると思います。
ですが、近年の少子高齢化により獅子舞の担い手が減り、獅子舞の存続が難しくなってきました。
そこで、中下新町では伝統の継承のために多様性を取り入れ、
平成12年に男性だけだった『中下新町獅子方若連中』から『中下新町獅子舞保存会』に組織を変更。
獅子舞に参加したい人は住んでいる場所や男女関係なく出演できるようにしました。
現在、中下新町では若い女性も多く獅子舞に参加しています。
中下新町の獅子舞は、従来「清水型」の形態を受け継いだ穏やかで優しい獅子舞をしていました。
戦後、昭和28年頃に当時の若連中が「氷見獅子」からの流れを持つ高岡市立野東町に踊りを教わり、獅子と戯れる優しい踊りから、天狗踊りや六尺棒・薙刀を使用して獅子を退治する勇壮活発な舞に変化してきました。

近年は小矢部市の『獅子舞大共演会』だけではなく、
交流事業として金沢の『百万石祭り』や『高岡獅子舞大競演会』にも参加してきました。

伝統を守るためには、何よりも人との繋がりが大切です。
獅子舞の担い手が減少している今、先代から代々続いてきた中下新町の獅子舞の伝統を時代の流れに合わせながら、
みんなで楽しく次の世代へ繋げていきたいと思っています。
 

この記事を書いた人

おとなり編集部

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